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21グラム

21g21グラム
観ようと思っていて
なかなか観れずにいる映画は沢山ある。
これもそんな映画のうちの一つ。
時間軸がバラバラに交差するのだが
個人的には一定の流れで進んだ方が感情移入できたと思う。
一つの命を巡り
二人の男性と一人の女性の人生が絡み合うのだが、
その三人全てが不幸な人生を歩む事になる。
なので後味が悪い。
終わった後にずっしり来る。
人は死んだ時に21gの重さを失うという。
21グラムと言うタイトルはそこから来ている。
(それが魂の重さという説もある)
この21gに、死、中絶、妊娠、体外受精などから
キーワードは命であると感じるのだが
それを上手く解釈するのは難しい。
それ以外にも
人生、家族、神の信仰、運命など
いろいろと考えさせられる事も多い。
ただ一つ感じた事は
21gはたったチョコバー一個分の重さだが
とてつもなく重たいのだと。

リバティーン

26c90672.jpg映画を観ようと言う話になり、
取り敢えず映画館に向かい決めた作品が
ジョニーデップ主演のリバティーン。
決め手になったのは
-冒頭の三行を読んで出演を即決した-
と言う彼のコメント。
内容は17世紀に実在した詩人の生涯を綴ったもの。
酒と女と芝居を愛し、自由奔放に生きた彼。
故に社会には適応できず、
蔑まわれ、忌み嫌われる。
しかしそれでも人を惹き付ける魅力があった。
それは確かな詩の才能と
我々がタブーとする事も何の躊躇いも無く表現してしまう
傲慢とさえ取れる自信があったからではないだろうか。
最終的には多くのものを失い、孤独を知る。
社会に背くと言う事はそう言う事なのだろう。
-諸君は私を好きにならないだろう-
と冒頭で言う通り、
自分はこのロチェスター伯爵は好きにはなれない。
ただ、その精神に率直であった生き様は羨ましく思う。
リバティーン

キスは愛という文字を完成させる最後のドット

ドット・ジ・アイ
前半部分は恋愛ものかと思ってしまった。
ただ、サブリミナル的に入る映像が
それだけでは終わらないと予感はさせるが。
フィルムの中の世界と現実の境目が一瞬曖昧になる。
だが最終的にはそこに一本の境界線が引かれる。
逆にこの境界を曖昧にしたままだったら、
マルホランド・ドライブのような難解な作品になったのかも知れない。
リアリティを求めようとした感はあるが、
やはり映画的な出来過ぎ感は否めない。
人物の内面描写も最後はちょっと薄っぺらだった気がする。
でも二転三転するストーリーはおもしろかった。

幸せは無垢な心に宿る

忘却は許すこと
太陽の光に導かれ
陰りなき祈りは運命を動かす
エターナル・サンシャイン
衝動的に行動し、
いざ失うと知るとその大切さに気づく。
しかし気づいた時にはもう手遅れ。
偶然の出逢いに運命を感じてしまう。
僕らは上手くいかないんだと聞かされても、
「OK」の一言でそんな事は気にしない。
第三者的に見れば愚かである。
でも得てしてそんな愚行を真剣に繰り返してしまうのが人間だと思う。

Mr.&Mrs.スミス

AUSでは4か5月くらいから上映されてたので、
半年以上ずっ公開されている気分。
向こうにいた時から見てみたいとは思ってたんだが、
先日やっと見に行って来た。
感想は、おもしろかった。
ここ最近ミステリーやサスペンスばかり見てたので、
たまにはこういう単純明快なのも良い。
難しい話も無いので気楽に楽しめた。
娯楽の一つとして純粋に楽しめる。
ま、キャストの力によるところは大きいが‥。

グッバイ・レーニン

母親にショックを与えてしまうと命の危険性があると知り、
ショックを与えないように嘘の世界を作り続ける息子。
自分は”良い嘘”はあると思う。
その人を欺こうとする気持ちのある嘘がいけないのだと思う。
自分がこの息子の立場だったら、
同じ事をしたと思う。
それは、母親に生きて欲しいという気持ちと、
自分が母親の命を奪ってしまうかもしれないという不安からだろう。
自分勝手な意志かもしれないが、
やはり母親には長く生きて欲しいと思う。

マシニスト

先日観た「シークレット・ウインドウ」と
似たような展開。
それ故か途中で謎の答えも読めてしまった。
謎が解決すると、
その以前に伏線が張られていた事に気付き
なるほどなと思う。
でもこの監督は、
その謎の部分よりも主人公の心理の描写に
重きを置いたと思う。
そう思うとこの映画がおもしろく思える。
主人公と同じ立場の人間は、
こんな心理状態になるのだろう。
そして何より-30kgの減量をし、
文字通り「歩く骸骨」と化した
クリスチャン・ベールは圧巻だ。

シークレット・ウインドウ

オーストラリアに居る時
二回DVDで観たのだが、
会話の内容が分からず二度とも途中で寝てしまった。
退屈な映画なんだろうと思ってたが、
字幕で観て会話が分かると意外と面白かった。
謎の答えがある映画に似てるなと思ったが、
原作がスティーブン・キングなので、
その映画に影響されてはいないだろう。
またハッピーエンドでない結末も良かった。
静かな無気味さを残した終わりが良い。

カンフーハッスル

チャウ・シンチー好きの友達の影響もあり、
自分もいつの間にかチャウ・シンチーの映画が
好きになっていた。
下らないギャグに、
大げさなアクション、
無駄なCGの使い方はいつも通りで安心して観られた。
チャウ・シンチーの映画は脱力させてくれる。
これからもこのカラーのままの作品を作って行って欲しい。

saw

オーストラリアにいる時に絶対観たいと思った映画。
でもミステリー(またはサスペンス)映画は、
英語も完全に分からない状態で観ても
不完全燃焼になるのは目に見えてたので我慢してた。
ラストの結末には完全にやられた。
こんなにやられたのは久しぶりで、
逆にスッキリ気分が良い。
全体的にも楽しめた。
導入は、目を覚ますと知らない部屋で、
なんとか工夫してその部屋を脱出しようと試みる。
この辺りの設定は「CUBE」に似てると思った。
でもそれ以降は、全く違った。
サイコサスペンスと言えばいいのだろうか。
殺人鬼がいかれていて、
人間を精神的に追いつめて行く殺し方がおもしろい。
また、その殺人鬼によっておかしくなってしまった人がいて、
これからおかしくなっていくだろう様子も描かれている。
謎解きの部分も楽しめるが、
人の精神が崩壊していく様も楽しめる。
自分の大好きな映画の一つにランクインされた。