軍事政権の続いたチリで、政権の信任継続延長を問う国民投票が行われることとなった。
賛成派・反対派それぞれに1日15分のテレビ放送枠が与えられた。
広告プランナーのレナは反対派のCM作成に携わり、反対派が勝利できるように国民の心を動かそうとする。
ざっとあらすじはこんなとこ。
映画『NO』公式サイト
※以下ネタバレあり
僕自身近い業界にいるので興味深い内容だった。
この業界のクリエイティブな仕事は面白いと思ってるが、
その一方でメディアの力は世の中を動かすほどではないと考えていた。
ただ、この作品を観てその考えが変わった。
もちろん世論が動いた理由は一日15分の放送だけではない。
その背景にはそれまでの政治の不満や過去に犯した虐げれたり傷つけられた人達の怒りや不満もあったからだ。
でもそのような部分も含め行動を起こし立ち上がろうする後押しにこのCMは大きな力となった。
この時代の、この政治だったからこのような大きな効果にもなったと思う。
そこは逆に非常にリスクも伴い、ある意味ある意味命がけのキャンペーンだ。
なので魅力的でもある一方で逃げ出したくもなる仕事だ。
やり遂げるだけでも大変なことだと思う。
実際のところはわからないが、レナはプロフェッショナルだと感じた。
軍事政権を覆したいという気持ちよりもプロとしてこのキャンペーンを成功させるという気持ちの方が強い気がした。
同じ制作という立場に者としてそういう姿に憧れもする。
自分も同じように信念を貫いて、世の中とまでは行かなくとも少しでも誰かに影響を与えるものをつくりたい。