小さい頃はヒーローになりたかった。
世界を救う様な。
小学校に入って漫画を読み始めてからは
漫画家になろうと思った。
友達同士でノートに漫画を描いては見せ合いっこをしてた。
しかし成長するに連れ周りの友達は1人また1人と漫画を描く事を辞めた。
それでも自分はコツコツと漫画を描き続けた。
と言っても、ペンやトーンなど使わずに
ノートに鉛筆で描く簡単なもの。
漫画家になりたいと憧れながら、
本格的に行動を起こす事無く大学を卒業し社会人となった。
憧れは憧れのままで終わった。
入社した会社は印刷会社。
DTPオペレーターなのでMacを使っての作業が主だった。
大学時代に初めてMacに触ってからはまってしまった自分としては、
仕事は楽しかった。
でも2年もすると一通り作業はこなせるようになり、
新しく覚える事も殆どなくこのままここにいても何も変わらないなと思った。
もっとクリエイティブな仕事がしたいと思った。
漫画しかり、絵を描く事が好きだった自分は絵で仕事ができないかと思った。
イラストレーターだ。
勤務してから丸2年で退職し、
アルバイトをしながら絵を描き始めた。
絵が駄目だった時の保険として、
すぐに職につけるようにアルバイトも興味ある分野に絞った。
出来ればDTPデザイナーが良かったが、
アルバイトがなかなか見つからずwebデザイナーのアルバイトをする事にした。
絵はコツコツと描き続けたが、
具体的に仕事に繋がる様な行動を起こしたのは数える程。
時々、「本当に絵で仕事がしたいんだろうか?」と考えるようになった。
ここで様々な理由が重なり1年ワーキングホリデーでオーストラリアへ行く。
スケッチブックと画材も持って行った。
ありきたりな言葉だが自分を見つめ直す為だ。
絵を描くのは楽しいと改めて認識した。
そして帰国後一念発起し、デザインフェスタに自分の作品を出展する事にした。
自分の評価と世間の評価の違いを確認するため。
結果、自分の未熟さを痛感した。
ただの一度の挫折である。
いや、挫折と言う程の大事でもない。
でもそこで自分は絵で仕事するのを諦めてしまった。
言ってしまえばそこまでの熱だったのだ。
得は好きだけど個人で楽しむレベルだったのだ。
その頃派遣でwebデザイナーとして働いて自分は、
社員にならないかと声を掛けられた事もあり
正社員として働く事にした。
この業界でやってこうと決心したからだ。
でもそれからの自分は将来が何も見えなくなってしまった。
何になりたいのか?
何をしたいのか?
「有名になりたい」「凄い実績を残したい」
そんな漠然とした思いはあったが具体的に何も見えなかった。
ただ今の環境をより良くして、それを繫げて行くだけの日々。
職場の環境は悪くなかった。
居心地は良かった。
だがそれに甘えてると自分の成長が止まってしまうと思った自分は、
この業界の憧れの会社へ転職しようとした。
厳しいのは予想してた。
でも行動を起こさないと何も変わらないと思った。
残念ながら希望は叶わず転職は失敗した。
それでも退職した。
動ける環境を作らないと思ったから。
その後、自分に足りないスキルを学びながら、
ビジネスや自己啓発の本を読んだり
起業してる友人、同業で成功してる人達に会ったりし
今後の人生について本気で考えた。
漫画家もイラストレーターも、
自分好きだからと言う理由の他に
自分の創ったモノで人の心を動かしたいと言う想いがあった。
音楽家、芸術家、職人、スポーツ選手、映画監督、俳優…
彼らのように感動を与えられる方ではなく与える人になりたかった。
そしてそれはwebの世界でも可能だと気付いた。
初めてwebの世界に来た時はそれ程魅力を感じなかった。
楽しい世界ではあるが自分が叶えたいものは特に無かった。
でも時代が変わったのか、
自分の見方が変わったのか、
今はwebの世界に大きな魅力を感じる。
「webで感動を与える」
感動と言ってしまうと狭義になってしまうが、
楽しいや面白いと思ってもらえる事は沢山できると思う。
そしてここ最近ではすっかり失念してしまっていたが、
「自分に出来る事で世の中に貢献する」
を生きる目的としてきた。
この目的こそwebの世界でより実現できるのではないだろうか。
紆余曲折あったが自分が今いる場所は、
自分が望む事に挑戦出来る場所だと気付いた。
自分はwebを通して、
人が喜んでもらえるもの、楽しんでもらえるもの、役に立つもの、
社会に貢献できるものを作り続けたい。
そして最終的には世界の子供達に夢を掴めるチャンスを与えることのできる
プロジェクトを立ち上げたい。
それが自分の夢であり生きる目的でもある。
ようやく本当に目指すものが見えた。

フィールド・オブ・ドリームス

自分自身を投影出来る映画ほど、心に響く。
この映画は少し非現実的な部分がある。
リアリティには欠ける部分がある。
それでも心打たれたのは、
今の自分がレイと同じ年代で同じ様な気持ちを抱えてたからだろうか。
※ネタバレあり
この映画の一つの大きなテーマに「夢」がある。
叶えたい夢、叶わなかった夢。
夢を叶える事がどれ程素晴らしいか。
だが「夢」意外にも気付かされる点が幾つもある。
レイが聞いた声。
それは彼以外には聞こえず、
奇妙に思うのは当然だ。
しかし彼はその声に従って球場を作った。
それが正しいと言う根拠はない。
だが彼は自分の直感を信じて行動した。
レイがその声を疑って何もせずに過ごしていたなら
あの奇跡は起こらなかった。
周りの人達があざ笑っても自分を信じて行動した。
僕たちは冒険を夢見ても足を踏み出す事に躊躇する。
でも行動しなければ何も変わらない。
行動する事。
これが何より大事だ。
そして一見すると頭がおかしくなった様な夫の行動を
応援し続けたアニー。
レイがそこまで言うのならと、彼を信じ続けた。
こんなに理解のある相手はそうそういないだろう。
それだけアニーはレイを愛し信頼してたのだと思う。
レイはそれまでの生活を平凡だと思ってたかも知れないが、
これ程の夫婦愛を築ける事は滅多に無いと思う。
そしてそんな相手がいるだけで充分に幸せではないかと思う。
レイは始め、何か見返りを求めて球場を作った。
その後も何か手に入ると思って行動した。
その気持ちがどれ程かは分からない。
でもその仮定で彼は何人もの人の夢を叶える手助けをした。
それは事実だ。
個人的にはそういった積み重ねが、
父親と引き合わせたのではないかと思う。
夢を叶えるには幾つかの試練を乗り越えないとならない、
そんな風に捉えた。
最後にシューレス・ジョーはあの声はレイ自身の声だと言う。
結局はレイが諦めてた、忘れてた夢をもう一度叶えようと
彼の潜在意識が働きかけたのではないかと思う。
若い父親と対面した時、
レイは息子としては接しなかった。
だがその後、レイは「父さん。」と呼びかける。
そして父親はそれに応える。
父親も息子だって事は気付いてたのではないだろうか?
でもレイが息子と名乗らないなら知らないフリをしておく。
二人とも不器用なんだ。
同性だからかな、親父と息子ってそういうところがある。
でも多くの言葉を語らなくてもキャッチボールで通じる合える。
二人のキャッチボールをするシーンが今でも目に焼き付いてる。
「親に捧ぐ」とテロップが出るが、
大人になった息子達にこそ観て欲しい映画だと思った。

[LIVE] TWO DOOR CINEMA CLUB

渋谷WOMBでのTWO DOOR CINEMA CLUBのライブに行ってきた。
個人的には去年のサマソニで一番盛り上がったバンド。
なので今回の単独ライブは楽しみだった。
クラブでのライブは初めてでどんな感じかと思ったのだが、
思ってた以上にアーティストとの距離が近い。
間近で見たいと言う気持ちを抑えて、
少し離れた距離に身を置く。
多分前列の激しさはハンパないと予想したので。
予定時刻を過ぎても始まる気配がなく、
まだかまだかと痺れを切らしそうになった時に
TWO DOOR CINEMA CLUB参上!
会場のボルテージが一気に上がる。
そこからは最後のアンコールまで、
一気に駆け抜けた感じだ。
楽曲全てがアップテンポな曲なのでみんなノリノリだ。
「そうそう、この感じ!」とサマソニの興奮再び。
しかも箱が狭いので一体感がハンパない。
予想通り前列はもみくちゃになってる。
それはそれで楽しそうなんだけど、
あの場にいたら戦死してたなと思う。
激戦区からは一歩離れて、
自分のペースで楽しめるくらいが最近は丁度良い。
演奏時間は約一時間。
あっという間だった。
熱い一時間だった。
まだ若いバンドなのでこれからの活躍が楽しみだ。
再来日を期待する。

シャッターアイランド


※ネタバレあり
期待し過ぎてたせいか、落ちが予想の範疇だったので少し期待外れ。
と思いきや、最後の最後でやってくれた。
この手の妄想が入り交じる映画もよく見られるパターンで、
精神疾患が絡んでるときたらこのオチは読めてしまう。
でもそこで終わりではない。
最後の台詞は妄想からなのか、
はたまた正気だが妄想のフリをしたからなのか、
そこを考えると面白い。
この映画のキモは謎解きにあると宣伝されてる。
だけど、この監督らしく主である謎解き以外にも、
暴力や罪の意識、善悪などのテーマも織り込まれてる。
謎解きのために随所に散りばめられた布石、
その他のこの映画に込められたテーマ、
そう言った部分を意識しながらもう一度鑑賞すると
また違う発見があって楽しいのではないだろうか。