ベン・ハー

※ネタバレあり
スペクタル映画と言う言葉がピッタリな作品。
ベン・ハーも勧善懲悪の英雄ではなく、
怒りや復讐の感情もある人間臭いところがいい。
実在した人物が自然に取り込まれてるので、
僕はてっきりノンフィクションだと思って観てた。
事実ありえなくもない話だと思う。
だから余計にのめり込んだのかも知れない。
海上でのシーンも面白かった。
船艇で囚人を駒のように扱うシーンは狂気に満ちている。
実際そう言うことが現実にあったのだと考えると寒気がする。
しかしあの人を見下したムカつく将軍が義父になるとは。
人生何があるか分からない。
見せ場の一つである競馬シーン。
ただの馬の競争かと思ったのだがとんでもなかった。
迫力、臨場感が素晴らしい。
これを劇場のスクリーンで観れたのは幸せなことだった。
何より製作された時代を考えると、
そのカメラワーク、技術に驚かされる。
どのようにして製作したのか裏側が気になる。
4時間と言う長丁場だが、それを感じさせない展開。
最後の奇跡は予想通りだったのだが、
それでも感動せずにいられない。
その前にユダ親子の葛藤が詳細に描かれてたからだろう。
歴史ありドラマありアクションあり。
大変満足のいく作品だ。

アラビアのロレンス

※ネタバレあり
砂漠のシーンは美しい。
ただ砂漠の中をラクダに乗って行進してるだけで見とれてします。
そして逆にその広大さが砂漠という土地の恐怖心を煽る。
そこを渡り切るのはいかに無謀な行動なのか?
言葉でなく映像で伝えてくれる。
この作品はロレンスと言う男の生き方を描いた物語。
一見すると英雄のように見えるが、実はただの男と変わらない。
周りから持て囃されて自分を神であるかのように思い無謀な行動も起こすし、
傍若無人な振る舞いをしたりもする。
弱い心を持つ普通の男なのだ。
それ故リアリティはある。
彼の振る舞いも理解できる。
時間を考えるとそこまでは織り込む事はできなかったのかも知れないが、
できたらもう少し彼の心情の部分も掘り下げて欲しかった。
もっと苦悩や葛藤はあった筈だ。
僕としてはそこが残念な部分だ。

ライフ

life
映画「ライフ ―いのちをつなぐ物語―」公式サイト| INDEX
この映画には二つの感動があった。
一つは静物の純粋に「生きる」姿。
もう一つはその生物を捉えた映像美。
90分あっという間だったかと言われればそうでもないのだけど、
もっと色んな生物を見たいと思ったのは確かだ。
生物の生きる目的は”種を残す”ためだろう。
そのために多種多様な生物はそれぞれ違う形で進化し、
時には知恵を使ったりしながら生きている。
そういう生態を普段は見る事のできない視点から垣間見れて、
驚きと興味深さの混じった感動を味わった。
生物って凄いなと、面白いなと、子供が動物図鑑をワクワクしながら捲ってるような、
そんな気分になれた。
撮影の裏側のドキュメンタリーがあったらそっちも見てみたい。