※ネタバレあり
まず夢の中にいる状態の時に、その潜在意識に潜り込みアイデアを盗む(または植え付ける)と言う設定が面白い。
この設定だけで色々話が膨らみそうだ。
「夢の状態」と言われて思いつくのがマルホランド・ドライブ。
あの映画は夢を見ているときの秩序の無い混沌とした意識を描いてるが、
インセプションではそうではない。
夢の世界ならば極端な話、空を飛べたり世界を思い通りに変える事も可能だ。
しかしこの映画では夢の世界にルールを設けている。
潜在意識は異物を排除しようとする、各階層で時間の流れは20倍ずつ加速する、など。
これらのルールが話に奥深さ複雑さを与えてる。
一回観ただけではそのルールを理解するのに多くの時間を奪われるので、
頭を整理しながらストーリーを追ってく感じだ。
だが見終わった後に回想し、
そのルールの辻褄や綿密に立てられた展開を思い返すと
とよく練られてるなと感心させられる。
ルールをまとめてストーリーを系統的に表すと面白いと思う。
実際ネットではその様にしてる人も何人かいる様だ。
最初は分かりにくいがよく考えれば分かる。
その辺の微妙なさじ加減が終わった後も何度も思い返してしまう要因だろう。
観る度に新しい発見が出てくる、そんな映画だ。
最後も物議をかもしそうな終わり方だが、
判断を観客に委ねるのではなく実はよく観れば分かる、
そう言う点もよく考えられてる。
さすがにもう一度劇場には足を運ばないと思うが、
DVDではもう一度観てみたいと思う映画だ。