終末のフール


相変わらず伊坂幸太郎は群像劇を作るのが上手いと思う。
別のストーリでは主役の人物が他のストーリーではエキストラとして出てくる。
そういう場面は毎度心が踊ってしまう。
また、それぞれのキャラが立っているので、
そのエキストラとして出来て来た時もどんな事をしてるのか想像できてしまう。
さて、それぞれのストーリーなのだが、
話の設定は全部共通していて地球の滅亡を数年に控えた世界である。
地球の終わりを知った人類はパニックになるが、
それも一段落した時期。
だが、それも嵐の前の静けさで、
タイムリミットが目前に迫った時は再びパニックが訪れるだろうという状態。
そんな世界なので生き残ってる人達なのでどこか”死”に対して、
超越した考えや、変わった考えを持った人達が多い。
陽が強い程影が濃くなるように、
死が目前にある程生も濃くなるのだろうか。
死を前にして生のあり方を感じさせられた。
でもどれも重たいものではない。
この物語に出てくる人達は、
どこか肩の力が抜けていて真剣に生を見つめながらも前向きにあろうとしてる。
自分は生を大切にしてるか?
人生を楽しんでいるだろうか?
Yes。と胸を張って生きれるような人生を送りたい。

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