Category Archives: 映画
シング・ストリート
きっと、うまくいく
緑の光線
すれ違いのダイアリーズ
久々に満足度の高い映画を観た。
ストーリーも、登場人物のキャラクター、風景、カメラワークも全ていい。
日記から見ず知らぬ人に少しずつ心惹かれてくのが微笑ましい。
そして何もない自然の中で、未熟な教師と純粋な生徒との心のふれあいは時に可笑しく、時に胸に熱いものを感じる。
会えそうで会えない二人の関係は切なくて柄にもなくドキドキしてしまった。
いろいろな要素が丁度いい塩梅で一つにまとまってとても見やすかった。
見終わった後に温かい気持ちになれる映画だ。
これは人に勧めたくなる。
野火
見終わって暫く呆然としてしまった。
あまりに衝撃的だった。
リアルで残酷な描写もあった。
でもそれだけではない。
画面内からなんとも言えない緊張感、不安、恐怖が伝わってきた。
敵の銃撃、暑さ、飢え、病気、明日を生きて迎えられるかも分からない直ぐそこにある死。
観ていてたまらなく苦しい気持ちになった。
あの状況で正常に精神を保っていることは相当に難しく、
逆に狂ってしまったほうがラクなのかもと思う。
こういう人が人でなくなってしまうのが戦争なのだと感じ、
このリアルな映像さえもスクリーンの向こう側なのだとすると
本当の戦争とはどれほどの地獄なのか。
エレファント・ソング
閉鎖された空間での静かな心理戦。
ただし、そこまで複雑なものではない。
観終わってから「あれはどういうこと?」というのは無いが、あの時のあの台詞はこういう感情からだったのだなという気づきはある。
ミステリーが強い作品と思って観ると、そこは期待はずれになるかも。
裏には愛というテーマもある気がする。
望まれない出生のマイケル。
それ故に愛に飢えて、愛を知らない。
初めて愛されたのに、求めてくれないことを愛されてないと捉えてしまう。
死を決意した直前に遊びとも言える、嘘や騙しを入れて会話を楽しんだのは、素の自分と本音で話してくれる相手を求めてたのかもしれない。
実際はマイケルは愛されていた。
最終的に計画通り死ぬことを選択したマイケルは、そのことに気づけたのだろうか。
もっと希望のある人生を歩めてたかも知れないと思うと、彼の死は非常に悲しい。
リトル・ダンサー
軽快で小気味いい映画。
夢とか、青春、家族の愛、恋愛、友情、成長、笑いなど多くの要素を無理なくちょうどいい感じで一つにまとめられてる。
ビリーの活き活きとダンスをする姿は見ていて気持ちい。
ところどころ挿入される音楽のセンスもいい。
誰でも楽しめる作品。
シェルブールの雨傘
先日観た「ひまわり」と似たようなストーリーだったのは偶然か。
ただ、「ひまわり」よりはライトな感じだった。
やはりかつての恋人と結ばれなかった点は切なくもあるが、それぞれが別のパートーナーとそれなりにうまくやっていたのが幸いか。おそらくは過去の恋人は大切な想い出として、それぞれの家庭で幸せを築いていけるのでは、とそんな感じがした。
しかし、「選択」というのは本当に難しい。
仮にジュヌヴィエーヴがギイを待ち続けたとしても、戦争で死んでしまったかもしれないし、ギイの方が違う女性を選んでしまうこともある。
でもそれぞれの選択で折り合いをつけて、いかに幸せに変えていこうかとすることが肝心なのかなと。
あとこの作品は台詞が全て歌詞であり、また色彩が鮮やかで観ていて楽しい。それも重いテーマを軽くするのに一役買ってるのかもしれない。
ひまわり
切ない。
戦争の残酷さはこんなところまで影響するのか。
時代が時代であったならきっと幸せになったに違いない。
いっそアントニオは死んだことになってたほうが良かったのかもしれない。
知ったことでより悲しみが深くなったのだから。
もう二度と愛する人と一緒になれないと知りながら、それぞれの家庭で幸せになれることができるのだろうかと今後のことを考えると悲しく、切なくなる。
主題歌が印象的な作品であった。