自分の答えのつくりかた

自己のアイデンティティを確立するために、
特に学生に薦めたい良書である。
そして殆どアイデンティティが確立してしまってる大人でも、
得るものは多い。

物事の明暗

物事には必ず、よい点だけではなく、悪い点もある。
我々は、最初によい点を思いつくと、よい点ばかりが目につき、
最初に悪い点を思いつくと、悪い点ばかりに目を行きがちじゃ。

確かに我々は始めにどちらかの点だけ見せられると、
それを真に受けもう一方の点を見ようとしないことが多いです。
でも全ての物事にはよい点と悪い点があります。
両方の点を見る姿勢が必要です。

議論の仕方

  • 反論するなら、「違う」と言うだけではダメ。具体的に何が違うのかを明らかにして、できれば代替案を示す。
  • 一人ひとりの視野、価値観、経験には限界があり、そのために偏った判断をしてしまうことがある。だからこそ、多種多様な意見に耳を傾け、議論することが必要だ。
  • 議論では、多種多様な意見と理由、幅広い選択肢、それぞれのよい点や悪い点を、いかに引き出せるかがカギとなる。
  • 発表する時は、基本的には、先に結論を述べ、その後に理由を述べる。

議論とは名ばかりの、自分の意見を主張し合い、
相手に自分の価値観を押し付けようとするケースはよく見られる。
しかしこれでは平行線、または力のある者が弱い者を押しのけて主張を通してしまう。
議論とは言えない。

人それぞれ違う価値観を持っているのだ。
それを理解して、相手の意見をよく聞き、それを自分の中で咀嚼し、
反論があるなら具体的な言葉で言う。
議論の目的を自分の主張を通す場ではなく、
みんなの知恵を出し合い最善の答えを求める場と思えれば
他の意見に対しても素直に聞き入れられるのではないかと思う。

ピラミッド・ストラクチャーを使う

ピラミッド・ストラクチャーとは、意見に対する理由を明確にするために、
そして深めるために使うものだ。

それは間違いない意見なのか?本当か?他にはないのか?具体例は?
ある意見に対して鵜呑みにするのではなく、
真実を見極めるために批判的に考えることが必要だ。
ただ、その考え方を相手を責める方法だったり、
たわいのないお喋りで使ってはならない。
それは人を不快にさせてしまうから。

一般化した言葉を使ってないだろうか?

「最近の子供は、みんな覇気がない」と声高に叫ばれているとしよう。
話を強調するために「みんな」と言ってる面もあるだろうが、一般化できることはそう多くない。

「最近の子供は○○だ」、「○○の人は××だ」とよく言われるが、
果たして全員がそうなのだろうか?
一部はそうかも知れないが、一部はそうでないかも知れない。
逆にそうでない人の方が割合は大きいかも知れない。
一括りで考えずにその割合はどうなのか?疑いを持つことは必要である。

ブレない軸を持つ

その人の核となる軸、芯、著書では「幹」と表現している。

自分の「幹」は、早いうちにしっかり育ててほしい。
何かを試される時、そこまでに培ってきた幹が問われる。
「幹」というのは、自分の核となる全人格的な要素だ。

核がある人はブレないし、他人に流されない自分の考えを持っている。
そういう人には強さや魅力があり、人を惹き付ける。
そして誰もがそういう人達になれるのだ。
そのために、若い人程しっかりとその軸を育てて欲しいと思う。

大人になってしまった僕が今から軸を育てるのは難しいと思う。
多くのことを経験して、その中で軸は形作られてしまっている。
だが、その軸を太くしっかりとしたものに変えるのは今からでも出来ると思う。
今からでは遅いと言う意見は、不確かな意見なのだから。

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