カシコギ
以前出口のない海で書いた言葉はこの作品の引用である事を知り、
前々から読んでみたいと思ってた。
ネットのレビューを読んでも評判がよく、
感動するらしいので期待して読んでみた。
なのだが、
んー、なんか違う…。
確かに親子の強い愛情は感じるし、
その絆は感動に値するのだけど
個人的にはどうも納得できない部分があった。
それが「自己犠牲」と言う部分。
この作品で父親は自分の息子を救おうと
自分を犠牲にしてまで尽くすのだが、
自己犠牲ってエゴなのではないかと僕は思う。
「その人が救われるなら」と自分を捧げた人は満足かもしれないが、
救われた方は、誰かを傷つけたと言う重荷を背負う。
例えば臓器移植なんかは、
提供した方にも何らかの障害が出る可能性がある。
そうなった場合、提供された方は非常に心苦しくなるのでは?
自分を犠牲にしても救いたいと思うのと同様に、
相手も誰かを傷つけたてまで助かりたく無いと想ってるかも知れない。
確かに人を救おうとする行為は素晴らしいが、
それしか選択肢がない場合もあると思うが、
共に助かる道が最善な道なのではないのだろうか?
この父親には別の選択肢もあったと思っている。
なので僕はそこまで感動できなかった。
まあ、僕は冷めた所があるので、
大概の人は感動するのではないかと思います。