ラッシュライフ

rashlifeラッシュライフ

伊坂幸太郎作品、これで3つ目。
四人の人物を中心とした群像劇。
全く共通点のない人達の人生が、
時に交わり関わり互いに影響を及ぼして、
そしてまたそれぞれの人生に戻って行く。
話の場面が次々に切り替わり、
またその場面毎の時間軸もずれてるので頭を使う。
それぞれの話でリンクしてる部分もあり、
間を空けてしまうと多分気付かずに見落としてしまうかも。
でも展開が面白くて一気に読んでしまったのでその心配もなかった。
誰もが人生という物語の主人公であり、
誰かの物語に主要な人物、または脇役として登場している。
そして時に微少に、時に多大に影響し合っている。
こういう人生論はよく耳にするけど、
まさにそれを感じさせてくれる作品。
伊坂幸太郎はこの作品の中だけでなく、
他の作品と作品でもリンクしている。
前に読んだ「重力ピエロ」の登場人物が今作では
主要人物として登場してた。
作品同士のリンクで僕が思い浮かべるのはスティーブン・キング。
彼は架空の街を作り上げ、そこで起こる事件を幾つも作品としてる。
だからスタンド・バイ・ミーとショーシャンクは同じ街が舞台だし、
ショーシャンク刑務所は他の作品でも頻繁に出てくる。
ミザリーの小説家が他作品で、有名な小説家として名が挙げられたり。
こうやって一つの場面で幾つも作品が生まれると、
その世界をよりリアルに感じられるし、
物語同士のリンクを発見するのもちょっとした喜びになる。
こういう世界観作りは好きだな。
スティーブン・キングの作品同士のリンクに関しては
半分くらい請け売りだけど、
そのうち自分の目で確認したいと思う。