Trip
北陸一人旅
6月28日
北斎館
北斎館
朝からあいにくの雨。ただ小雨なのでそんなに嫌ではない。
長野駅から長野電鉄で小布施に行き、「北斎館」を訪れた。
「北斎館」とは江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の作品を展示したミュージアムである。
初めは浮世絵には特に興味があった訳では無いが、実際に北斎の作品を見て強く興味を惹かれた。
特に北斎のセンス、絵の幅広さには感動した。多くのヨーロッパ画家が浮世絵に興味を持ったのも充分理解できる。
「北斎館」を出た後、すぐ隣にある「高井鴻山記念館」にも立ち寄った。 高井鴻山は北斎と交流があり、学問、芸術に長けた人物である。 北斎との合作も展示してあったが、やはり北斎と比べると少し見劣りした気がした。
昼食〜別れ
「高井鴻山記念館」を出る頃には丁度昼どきになってたので、近くのそば屋でそばを食べた。
やはり長野に来たら一度はそばを食べなければ。そして土産屋で家族への土産を買い、小布施駅へ向かった。
この頃には雨もあがって、すっかりいい天気に変わっていた。少し腹の調子が良くなかったので、
長野駅に着いてから旅のお共、正露丸を購入した。
親父はこの日に家に帰るので、長野駅で親父と別れる。 ここからは一人旅となる。 一人松本へ向かう電車に揺れながら、一人旅にワクワク、ドキドキしていた。 まさか初っ端からトラブルが発生するとも知らずに…
松本城
松本城
松本では電車を乗り換えて宿のある信濃木崎へと向かう。
ただ時間的にゆとりがあったので、急きょ松本城へ行くことにした。
前に松本を車で通った時は車窓から見ただけだったので、間近で見た松本城にちょっと満足。
電車で松本から信濃大町へ向かう。そこで更に乗り換えだ。 その乗り換える電車というのが初めて乗るワンマン電車というもの。 電車のシートに座って辺りを見回すと、整理券や運賃表、運賃箱などがある。 バスみたいなものか、と思いつつよく分からないので聞いてみる事にした。
トラブル発生
丁度すぐそこのホームに車掌がいるし、発車まで時間あるから聞いてみよう、そう思った。
そう思ったのは間違いではなかった、ただすぐ済むだろうと思いリュックを置きっ放しにしたのが間違いだった。
ほんのちょっとした油断、まさにほんのちょっとした心の隙をつかれた。
電車から降りて駅員に話しかけようとした瞬間である。"プシュー"、という音が後ろから聞こえた。
嫌な予感がして後ろを振り向くとドアは閉まっていて、電車が動き出しているではないか。
ヤバい、と思いつつも自分の力ではどうにもならないことも理解している。意外と冷静なものである。
あー…と思いつつも、恋人を乗せた電車を見送るかのように、その電車を見続けていた。
後で気付いた事だがどうやら発車の時間を勘違いしてたみたいだ。
帰りの誰もいない電車
そしてやっとパニックが襲ってくる。とりあえず駅員に事情を説明する。 で、とりあえず終着駅まで荷物の確保はできない、終着駅に着くのが40分後だからそれまでは荷物の安否は確認できないと。 オレは駅の待合室で終着駅からの連絡を待つ事にした。しかしこういう時の時間は経つのが遅い。 貴重品は小さいバッグで身に付けていたので、リュックの中身は着替えや雑貨など。 まあ金はあるんでリュックが無くなったとしても旅行は続ける気でいた。 だいたい親父と別れてほんの数時間でどの面下げて家へ帰れるというんだ。 リュックを電車に置き忘れるなんて今どき小学生でもやらん。酔っ払いくらいなもんだ。
リュック救出
そうこうするうちに呼び出しがかかり、駅員の所へ。どうやらリュックは無事終着駅で保護されたようだ。
心の底からホッした。次の電車で取り行ってくれという事だが次の電車が来るのが30分後。
ま、荷物の無事が確認された今、30分待ちなど苦でもない。
降車する予定の駅を通り過ぎ終着駅の南小谷へ。リュックを受け取りすぐに折り返しの電車へ。
もとから利用客の少ない路線なのだろう、この時間夜9時近くにはオレ以外には一人しか乗客がいない。
そしてやっと本日の宿のある信濃木崎へ到着。
ユースへ
無人駅で誰もいない、外灯もないであたりは真っ暗。
地図を頼りに宿を探すがどこに道があるのかさえよく分からない程暗い。
途中のコンビニで道を聞き、ついでにウィダーインゼリーを買ってやっと宿であるユースホステルに到着。
午後10時。
前々からの話しでは近くに温泉があるみたいで食事もそこでできるという事だったのだが、
当然こんな時間では閉まっている。仕方ないので宿のメチャクチャ熱い風呂に入り、
ウィダーインゼリーで10秒チャージして就寝。さすがに疲れました。