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「人脈」つかいこなし術


今までは人の力を借りるのが苦手で、
できる事は自分の力でやってきた。
だが、一人の力でできることには限界があると気付き
これからは人の力も借りてやっていこうと思う。
そこで「32歳からの「人脈」使いこなし術を」読んでみた。
以下は簡単なまとめ。

名刺を分類する

名刺を
1.また会いたい人
2.何かあればつながっておきたい人
3.連絡をしなくてもいい人
に分ける。
更に1.また会いたい人を
・仕事として会いたいのか?
・人として会いたいのか?
・異性として会いたいのか?
に分け、各々を
「自分から連絡をとってすぐに会いたいのか?」
「連絡が来たら会おうという感じか?」
に分類する。
ここで「自分から連絡をとってすぐに会いたいのか?」に当てはまる人と会う確率をとにかく増やす。
そしてそう思った人には積極的にアプローチしていく。
また、本書では名刺交換した人を前提としてるが、
知人の知り合いやネットで知った人も同様と考えられる。

お目当ての人へのアプローチの仕方

いつも気にかけてることを行動や言葉で示す。
趣味やお酒の場に誘われたら積極的に参加し、
相手の話をたくさん聞き出す事でニーズも引き出せる。

「バーター営業人脈法」を活用する

バーター法とは物々交換の意味で相手の欲しい物とこちらの欲しい物を交換すること。
これは物だけに限らず、人材や商品、機会などの交換にも活用できる。
相手のニーズが何であれこちらが応えることができれば、
こちらのニーズにも相手が応えてくれやすくなる。
ただし、すぐに見返りを求めるのはやめた方が良い。

見返りはお金では買えない「人の心」としてとっておく

30代に差し掛かったら「人の力を借りる」工夫をしよう

30代になると、リーダーになったり独立したりする機会が増え
自分一人で成果を出せば良かったところが
部下を使ったり、人脈をフル活用する、など意識が変わる。
上司や部下の上手な接し方や「人の力のうまい借り方」を身につけたい。

人脈から価値や情報を引き出す

人脈を活用すれば様々な価値や情報が得られる。

  • ビッグネームと知り合いだと信頼が得やすい
  • 専門外で悩んだ時は専門の人に聞く
  • ネットの繋がりも活用できる
  • 自分が目指すもので成功してる人に相談する
  • 成功者のマインドを吸収できる

人脈を広げる

「紹介されやすい人」になる。
すなわち魅力的な人、信頼できる人、好まれる人である事で、
新しい人に紹介される機会が増える。
また、人脈の広い人と仲良くなる事でそこから連鎖的に人脈が広がる。
「交流会」を実際にセッティングするのも人脈を広げる一つの方法。

人脈のメンテナンス

せっかくの人脈も疎かにしてると相手は離れていってしまう。
人脈を維持するのに大事なのは「誠実さ」だろう。
さらに相手の状況を理解する気の配り方なども大切。
要は人脈は相手あってのものなので、
自己中心的にならないように気をつけなければならない。

初対面ですぐに仲良くなる方法


最近は積極的に色んな集まりに参加する様にしてる。
と、大勢の初対面の人と話す機会が増えるのだが、
個人的に話しやすいタイプと苦手なタイプがいる。
とは言っても苦手なタイプと付き合ってかないとならない場合もあるし、
好きなタイプだけと付き合ってると世界も狭くなる。
そこで本書だ。
プロのインタビュア直伝のタイプ別会話テクニック。
本書では人のタイプを12に分けて、
そのタイプ毎にどのように接すればすぐに仲良くなれるか書かれている。
ここで注意して欲しいのは下記の点。

「このタイプだから好き」「このタイプだから嫌い」ではなく、
タイプに応じて会話のアプローチを変えるという意識を大事にしましょう。

好き嫌いを判別するためにタイプ分けするのではなく、
誰とでも仲良くできる様にタイプ分けするのだ。

タイプの見分け方

まずカテゴリー分けしてから更に細かくタイプ分けする。
カテゴリー分けは相手の「表情・目」「仕草と行動」「声の大きさ・テンポ・調子」などをヒントに判断する。
タイプ分けは「ホメあいさつ」に対する反応で見分けます。

人の性格は表情や仕草、ボディランゲージ、話し方など
様々な部分に表れる。
まずはそれらをヒントにカテゴリー分けして、
決められた「ホメあいさつ」にどのような返しをするかで細かく分類する。

12のタイプ

3つのカテゴリーと各カテゴリ毎に4つのタイプ、計12のタイプとなる。

[積極会話派]

積極的に会話を試みる「話好き」のタイプ。

盛り上げタイプ
俗にいう「ムードメーカー」。盛り上げ役。
大阪おばちゃんタイプ
お喋りで機関銃の様に話続ける。
自信家タイプ
自信があり堂々としている。
お山の大将タイプ
自己中心的な「オレ様」タイプ。

[消極会話派]

あまり口数の多くない「話ベタ」なタイプ。

ねちねちタイプ
悲観的で愚痴っぽい発言が多い。
サムライタイプ
俗にいう「職人」。ムダ口を叩かなく寡黙。
日和見タイプ
人に合わせる事が多いイエスマン。
人見知りタイプ
内向的で人と接するのが苦手。

[バランス会話派]

双方向のコミュニケーションを重視するタイプ。

番組司会者タイプ
場の空気を読んで盛り上げたり会話を引き出すコツを知ってる。
仏様タイプ
俗にいう「聞き上手」。相手を無条件で受け入れる寛容さがある。
切れ者タイプ
頭の回転が早く話が理路整然としてる。
天然タイプ
あまり深く考えず思った事を口にする。

本書では各タイプの雰囲気や特徴、
どのように接すれば仲良くなれるか詳しく記載されてる。
確かに相手をタイプ分けして、
そのタイプに合った対応をすれば会話も盛り上がるので
初対面の相手に対する苦手意識もグッと減ると思う。
でもまずは12のタイプの見分け方と
タイプ毎の対応の仕方を覚えておかないと話にならない。
まずは、身の回りの人達をタイプ分けしてみたり、
実践で使えなかった時も家に帰ってから
「あの人はこのタイプだったな」と分析してみたりして
少しずつ身につけていけば意識する事無く自然に使える様になるのかなと。
また、自分がどのタイプなのか当てはめてみるのも面白い。
それを知る事でどの点を注意すれば好感の持てる接し方ができるのか勉強にもなる。

自分の答えのつくりかた

自己のアイデンティティを確立するために、
特に学生に薦めたい良書である。
そして殆どアイデンティティが確立してしまってる大人でも、
得るものは多い。

物事の明暗

物事には必ず、よい点だけではなく、悪い点もある。
我々は、最初によい点を思いつくと、よい点ばかりが目につき、
最初に悪い点を思いつくと、悪い点ばかりに目を行きがちじゃ。

確かに我々は始めにどちらかの点だけ見せられると、
それを真に受けもう一方の点を見ようとしないことが多いです。
でも全ての物事にはよい点と悪い点があります。
両方の点を見る姿勢が必要です。

議論の仕方

  • 反論するなら、「違う」と言うだけではダメ。具体的に何が違うのかを明らかにして、できれば代替案を示す。
  • 一人ひとりの視野、価値観、経験には限界があり、そのために偏った判断をしてしまうことがある。だからこそ、多種多様な意見に耳を傾け、議論することが必要だ。
  • 議論では、多種多様な意見と理由、幅広い選択肢、それぞれのよい点や悪い点を、いかに引き出せるかがカギとなる。
  • 発表する時は、基本的には、先に結論を述べ、その後に理由を述べる。

議論とは名ばかりの、自分の意見を主張し合い、
相手に自分の価値観を押し付けようとするケースはよく見られる。
しかしこれでは平行線、または力のある者が弱い者を押しのけて主張を通してしまう。
議論とは言えない。

人それぞれ違う価値観を持っているのだ。
それを理解して、相手の意見をよく聞き、それを自分の中で咀嚼し、
反論があるなら具体的な言葉で言う。
議論の目的を自分の主張を通す場ではなく、
みんなの知恵を出し合い最善の答えを求める場と思えれば
他の意見に対しても素直に聞き入れられるのではないかと思う。

ピラミッド・ストラクチャーを使う

ピラミッド・ストラクチャーとは、意見に対する理由を明確にするために、
そして深めるために使うものだ。

それは間違いない意見なのか?本当か?他にはないのか?具体例は?
ある意見に対して鵜呑みにするのではなく、
真実を見極めるために批判的に考えることが必要だ。
ただ、その考え方を相手を責める方法だったり、
たわいのないお喋りで使ってはならない。
それは人を不快にさせてしまうから。

一般化した言葉を使ってないだろうか?

「最近の子供は、みんな覇気がない」と声高に叫ばれているとしよう。
話を強調するために「みんな」と言ってる面もあるだろうが、一般化できることはそう多くない。

「最近の子供は○○だ」、「○○の人は××だ」とよく言われるが、
果たして全員がそうなのだろうか?
一部はそうかも知れないが、一部はそうでないかも知れない。
逆にそうでない人の方が割合は大きいかも知れない。
一括りで考えずにその割合はどうなのか?疑いを持つことは必要である。

ブレない軸を持つ

その人の核となる軸、芯、著書では「幹」と表現している。

自分の「幹」は、早いうちにしっかり育ててほしい。
何かを試される時、そこまでに培ってきた幹が問われる。
「幹」というのは、自分の核となる全人格的な要素だ。

核がある人はブレないし、他人に流されない自分の考えを持っている。
そういう人には強さや魅力があり、人を惹き付ける。
そして誰もがそういう人達になれるのだ。
そのために、若い人程しっかりとその軸を育てて欲しいと思う。

大人になってしまった僕が今から軸を育てるのは難しいと思う。
多くのことを経験して、その中で軸は形作られてしまっている。
だが、その軸を太くしっかりとしたものに変えるのは今からでも出来ると思う。
今からでは遅いと言う意見は、不確かな意見なのだから。

アイデアのヒント

「アイデアのつくり方」を始め、アイデアについて書かれた本は多い。
では、具体的にどのようにアイデアを出したら良いのか?
「アイデアのヒント」はそれに回答してくれる。

アイデアを出す具体的な方法をかいつまんで伝えると以下の様になる。

楽しもう!

楽しんでやった人程よい成果を上げる。
楽しむことで創造性が解き放たれ、
それはアイデアを手に入れる「種」となる。

自分を信じよう!

アイデアはそこにある、必ず見つかる。
そして自分にはそうしたアイデアが見つけられると信じること。

「その気」になろう

アイデアを手に入れたイメージを思い浮かべよう。
手に入れられる「だろう」とイメージするのではなく、
「すでにアイデアが手に入った」状態をイメージする。

子供に戻ろう

子供は無垢で自由であり、
クリエイティブな発想は子供の部分から生まれる。
大人の常識を捨てて、見るもの全てについてなぜそうなのかを考えてみる。

「知りたがり」になろう

好奇心を強く持とう。
型にはまった生活から抜け出したり、
意識して「見る」ことを学ぶ。

笑われることをおそれるな

勇気をもってアイデアを口にしよう。
冷笑したり皮肉を言う人も恐いのだ。あなたのアイデアをおそれているのだ。
だからこそ、いやみの一つも言ってみたくなるのである。

考え方のヒント

言葉にするのではなくイメージを思い浮かべてみよう。
水平思考で考えてみよう。
制限や限界や制約があると無意識のうちに作ってないだろうか?
逆に制約を作ってみよう。
ある枠組みの中で想像力はできるかぎり知恵を絞ることになり、そこから非常に豊かな発想が生まれる。

いろいろなものを組み合わせてみよう

似たものを探す。
「常識」を破る。
「もし、こうだったら」と考える。
ほかの分野の力を借りる。
冒険してみる。

質問を変えてみよう

問題が何かを正しく捉えることが非常に重要。
問題を正しくとらえてないと、間違った問題を解いてしまいかねない。
問題を言い換えてみるだけで正解への道が開け、
さまざまな解決法が浮かび上がってくるものだ。

情報をかき集めよう

アイデアを考えはじめる前に、できるだけの情報を集めることが肝心だ。
今取り組んでる問題にも何か見過ごされている関連性や、大切な情報がある筈だ。
それが問題を解く上での助けとなり、解決へのドアを開くカギとなるだろう。

とにかく数で勝負しよう

どんなアイデアでもいいからとにかくアイデアをいっぱいだしていくことが一番だ。
いつだって必ず別の答えはある。
それを探し出せばいいのだ。

いったん全部忘れてしまおう

心の中で小さな声が「うまくいかないなあ」と言い始めたら、
その問題を忘れて、ほかの仕事に取りかかる。
考えてはダメだ。その必要はない。筋肉が疲れたのとはわけが違うのだから。

ひらめいたら実践しよう

もしアイデアを手に入れたら、すぐに実践しよう。
本気になって、締め切りを作ろう。
使いそうな言い訳は「燃やして」しまおう。
アイデアを買ってくれる人がいないなら自分で売り出そう。

これらの内容の具体例や経験談なども本書では語られており、
アイデアという形の見えないものを手に入れる為の方法が
非常に分かりやすく書かれている。

普段の生活に取り入れたいヒントも幾つもあるので、
何度も読み返して身につけたいものだ。

アイデアのつくり方


アイデア本の中では広く知られてる一冊。
1988年の初版から10年以上経った今でも増刷されてることが
その実用性を物語っている。
クリエイターだけでなく、
アイデアを必要とする人全てにお勧めする。
帯にも書いてあるが、
本当に薄い本で1時間もあれば読めてしまう。
更にポイントに絞って言うならその半分の時間もいらない。
アイデアを作るには五つの段階がある。
1.資料を収集する
2.資料を咀嚼する
3.問題を完全に放棄する
4.アイデアの誕生
5.アイデアを具体化し展開する
それぞれの段階の詳細は書籍で読んで欲しい。
と言うか詳細まで書いたらほぼこの書籍の内容を公開したのと同意になる。
それほどこの書籍の内容は単純である。
が、非常に確信を得てると思う。
今までにアイデアを創造した事がある人ならば、
この内容に納得するだろう。
そして具体化された方法を知って、なるほどと感じると思う。
このアイデアを作る手順は科学的にも的を得てるのではないだろうか。
以前読んだ「海馬」の中にも”脳はあるものとあるものとの間に繋がりを感じる能力がある”と書いてあった。
つまり脳は、蓄積されたデータを無意識のうちに繫いだりしているのだ。
アイデアに関する本は世に何冊もあるが、
集約してしまえばこの書籍の内容と同じになるのが殆どだ。
またはそれを発展させたもの。
それだけこの「アイデアのつくり方」のアイデアの五段階は原則であり、
アイデアを作る人達にとっては知っておきたい方法である。

クライマーズ・ハイ


御巣鷹山の日航機事故を中心にリアルで深い数々のドラマが展開される。
著書は日航機事故の時に地元の新聞記者であったらしい。
なので事故を取り巻く周囲の様子や新聞社の内情などが
細かく掘り下げられてるのも納得がいく。
とにかくリアルでこれはノンフィクションなのでは?と疑うくらいだ。
悠木の抱える職場や家庭での悩みや苦しみ、葛藤は
特に中堅どころの働く男には共感できる部分が多々あるのではないだろうか。
上司に圧力をかけられて思う様に出来なかったり、
反発して強行してみたものの最終的に安全策を選択してしまったり、
家庭では子供に距離を置かれたり。
誰もがヒーローになりたいと思う。
仕事で優秀な業績を上げたり、
強行で成功を納め上司をやり込めたり、
家庭では子供に尊敬されたり。
でも現実は理想通りにはいかない。
色んな問題がある。
特に人間関係なんて思い通りに行く事の方が少ない。
だけど問題を一つずつ乗り越えて行くしか無い。
時には失敗して打ちひしがれる事もあるけど、
それでも前進して前進して頂きを目指さなければ何も変わらない。
自分にはそうやって一つずつ問題に立ち向かって行く悠木が、
頂を攻めるクライマーの様に感じられた。
自分も困難が起きた時には立ち向かって行こう。
そう勇気づけられる一作だ。

終末のフール


相変わらず伊坂幸太郎は群像劇を作るのが上手いと思う。
別のストーリでは主役の人物が他のストーリーではエキストラとして出てくる。
そういう場面は毎度心が踊ってしまう。
また、それぞれのキャラが立っているので、
そのエキストラとして出来て来た時もどんな事をしてるのか想像できてしまう。
さて、それぞれのストーリーなのだが、
話の設定は全部共通していて地球の滅亡を数年に控えた世界である。
地球の終わりを知った人類はパニックになるが、
それも一段落した時期。
だが、それも嵐の前の静けさで、
タイムリミットが目前に迫った時は再びパニックが訪れるだろうという状態。
そんな世界なので生き残ってる人達なのでどこか”死”に対して、
超越した考えや、変わった考えを持った人達が多い。
陽が強い程影が濃くなるように、
死が目前にある程生も濃くなるのだろうか。
死を前にして生のあり方を感じさせられた。
でもどれも重たいものではない。
この物語に出てくる人達は、
どこか肩の力が抜けていて真剣に生を見つめながらも前向きにあろうとしてる。
自分は生を大切にしてるか?
人生を楽しんでいるだろうか?
Yes。と胸を張って生きれるような人生を送りたい。

星を継ぐもの

友達の薦めで読んだSF小説。
SF小説を読むのはこれが初めてかも。
慣れてないせいか最初は取っ付きにくかったが、
読むうちにどんどん引き込まれて行った。
元々自分は理系なので、科学や物理の話が出てくると興味を惹かれる。
難しい理論は今となっては理解出来ないが、
色んな事象を科学や物理で理論的に解明するのが面白い。
また、そのように根拠のあるデータで解明されるとそれが事実であるように思えてくる。
この物語もフィクションなのだが科学的に説明されてしまうと、
本当にそうだったのではないかと思えてしまう。
だとしたら、それは衝撃的な事実となるのだが・・・
また、この小説は”月で発見された人とそっくりの死体”の謎を解明する
ミステリー要素もある。
次から次へと出てくる証拠や理論で謎は更に深まってく。
その展開が飽きることなく物語へとのめり込ませる。
まだ宇宙は未知の部分が多い。
それ故この小説の最後で明かされる衝撃の事実も起こりえるのではないかと思えてします。
そのように空想を馳せるのも悪くないなと思う。

夜は短し歩けよ乙女

舞台「夜は短し歩けよ乙女」を観て、原作が読みたいと思い手に取った。
ジャンルは何と言えば良いのだろう。
一本筋が通ってるとすれば恋愛になるのだろうか。
でもその恋愛を軸に巻き起こる色々な事象がとても面白い。
物語は、”先輩”と”黒髪の乙女”の2つの視点で描かれてる。
舞台は京都。
物語の世界観がまた京都と言う土地に非常にマッチしている。
京都の街で繰り広げられる面白可笑しく、
摩訶不思議な世界。
ところどころに挟まれる詩的な表現が、
その世界を美しくもする。
これはファンタジーでもあるな。
登場人物も個性がとても強く、どの人物も憎めない。
愛すべきキャラクター達よ。
この人物とこの舞台があれば、
話はいくらでも膨らんで行くんじゃないかと思う。
この世界に迷い込んでみたい。
そう思った。

ケータイ小説大賞 あたし彼女

昨年くらいから話題になってるケータイ小説。
ずっとスルーして来たが今回ネットで話題になってたので
「一度どんなものか知っておくのも大事だな」
と思い読んでみた。
第3回日本ケータイ小説大賞:あたし彼女
多くの人が評価してる通り、
自分も正直最初のページを開いて
「え?こんなのが大賞?」
と首を傾げた。
しかしここで一度頭をリセットした。
偏見をなくしてちゃんと評価してみようと。
文体は改行が多く、独特のリズムだ。
だが、これはこれで新しいスタイルとして捉えればそれもアリだと思う。
特にケータイ小説は中高生辺りが中心だろう。
ケータイ世代の彼らにはこのスタイルがハマりやすいのかも知れない。
そして小説の内容なのだが、
頑張って読破しようとしたが2章まで読んで挫折した。
いや、最初はプロローグで挫折したのだが、
それでも頑張って2章まで行ったのだ。
どうにも先を読む気が起きない。
そこでこちらの現代語約を参考にさせてもらった。
「あたし彼女」現代語訳 – 藤棚の上
こっちは最後まで読んだ。
で、感想なんだが
「こんなのが大賞?」
と再び思った。
リアリティが低いのだ。
現代語約を読んだ感想だから、そうじゃない部分もあるかも知れないが、
2章まではしっかりと原文を読んで思う意見だ。
例えばアキがトモに惹かれてく事に関してだが…
アキは今までに何人の男と付き合って、何十人の男とセックスしてるって設定だ。
それがトモと言う男だけに何故特別な感情を抱いたかが理解できない。
プレゼントの下りでも、そんなに特別な事なのか。
だとしたらアキが今まで付き合った男ってどんだけダメ男だったんだよって話だ。
また、トモはアキが元カノのカヨに似てるから惹かれたらしい。
けどアキとカヨは外見が似てるだけで性格は全然違う。
じゃあ何か?トモはカヨの外見が好きだったのか?
いや、そうじゃない。性格的な部分が好きだったと言ってる。
外見だけそっくりで中身はビッチな女。
そんな簡単に惹かれるものか?
もっと複雑な心境なんじゃないかと思う。
そんなこんなで突っ込みどころは満載だ。
でも自分は批評家じゃない。
これが大賞に選ばれたと言う事はそこにはそれなりの理由があるのだろう。
一番の理由としては、
メインターゲットである中高生にはこの程度の内容がウケが良いのだろう。
逆に一般人受けするような小説ではウケが悪いのだと思う。
だから自分らが理解できなくても当然なのだ。
でもこの小説を良いと言ってる中高生達には、
世の中の小説は全て同じような感じのものだと勘違いしないで欲しい。