カテゴリー別アーカイブ: 本

イニシエーション・ラブ

帯のコメントを見て前々から気になってたのだが、
知人からのお薦めもあって読んでみた。
帯のコメントにも記載の通り、
最後でどんでん返しがある。
そう書かれると、注意深く読んでしまうのだが、
前半部分は淡い恋愛話だったので
伏線などそっちのけで読み入ってしまう。
もう淡い恋愛なんてしない歳だからな。
こういう話で想像膨らまして「そんな頃もあったな。」と遠い目をしてしまう。
そんな乙女チックになってる自分をイタイと思いながら、
最後まで読み切る。
で、最後の数行でこのストーリーの本質を知る。
なるほど、面白いなと。
まあ、トリック自体は難しいものではない。
よくよく考えれば分かる事。
ただ、自分はトリックに驚いたと言うよりも、
そのトリックによりストーリーの本質が分かった時に
ゾッとした。
すっかり騙されていたよ。
恋は盲目と言うけど。
怖いね。

複雑系

fukuzatsukei.jpg複雑系

本のレビューを書くのは久々なのだけど、
別にずっと読んでなかった訳ではない。
この「複雑系」という大物をじっくりと亀のような歩みで、
時に睡魔と戦いながら一ヶ月近くかけて読んでた。
で、そのように真摯にこの本と向き合ったのだが、
全く頭に残ってない。
空っぽ。空虚。
久しぶりに”理解不能”という思考に陥った。
学生の頃テスト前に真面目に勉強したにも関わらず、
2点という最低点の記録を更新した「光学」くらい理解不能。
まあ、興味があるから読み出したのだけど、
興味を掻き立てられる部分も把握できないまま終わってしまった。
この本を紹介してくれた友人なんだけど、
いつもアホな事ばかり言ってる人で。
だから余計に読みやすいのだろうと高を括っていた。
「馬鹿と天才は紙一重」とはよく言ったものだ。
僕ももっと馬鹿になったら、再度この本に挑戦しようと思う。

「海馬」

kaiba.jpg海馬-脳は疲れない

「海馬」をめぐる、脳科学者・池谷裕二とコピーライター糸井重里との対談集。
扱ってるテーマが「脳」であるから取っ付きにくいと思われるかも知れないが、
とても読みやすい内容となっている。
この本には、脳に関する目から鱗の情報が沢山詰まっている。
本書より、その一部を抜粋。

・三十歳を過ぎてから頭はよくなる
あらゆる発見やクリエイティブのもとである「あるものとあるものとの間に繋がりを感じる能力」は三十歳を超えた時から飛躍的に伸びる。

・脳は疲れない
脳はいつでも元気いっぱいで全然疲れない。「脳が疲れたなぁ」と思わず言いたくなる時でも、実際疲れているのは「目」である。
・脳の成長は非常に早い
実際の体験を通して物事に上達して行く事は想像以上に簡単に達成出来る。何故なら、実践するたびにできていく回路は「二の何乗」という形で増えていくから。
・脳は分からない事があると嘘をつく
脳は理不尽な事があるともっとも合理的な方法で判断をする。例えば、仮に海馬を失うと、脳は欠けた記憶につじつまを合わせるように、自我を保とうとして延々と作り話を作り上げる。
・脳に逆らう事がクリエイティブ
刺激を求めているけれど、同時にいつでも安定した見方をしたがるのが、脳。創造的な事をしたいと思っている人は、画一的な見方をしたがる脳に対して、挑戦をしていかなければならない。

他にも「センスは学べる」、「失恋や失敗が人を賢くする」、「生命の危機は脳を働かせる」、などなど沢山の驚きの事実がある。
この本で知った情報は、その全てが科学的根拠に裏付けられた「事実」である。
そしてその「事実」は誰もが持つ「脳」に関する事。
つまり選ばれた人や、運の良い人だけと言うのでは無く、
誰しもが素晴らしい可能性を持っているって事になる。
これって凄い希望の持てる話だ。
前向きな気持ちになれる。
「自分の脳はまだまだ賢くなる。バリバリ脳みそ使っちゃうよ」
ってやる気が出てくる。
また、脳の働きを知る事で、より効率的な使い方を知る事が出来る。
何だかんだ言って、考える事も感じる事も全て脳なのだから、
それを知ってるだけで今後の生き方が随分変わってくると思う。
三十過ぎてからから脳の働きがよくなるのなら、
「いやー、歳だから」
なんて事も言えなくなるね。
「男は30から」
とはよく言ったもんだ。
僕のピークもこれからだ。

「いま、殺りにゆきます」

imayari.jpgいま、殺りにゆきます

ずーっとミステリーばかり読んでたので、
ちょっとジャンルを変えてみた。
今回はホラーに手を出してみた。
この「いま、殺りにゆきます」は実話恐怖短編集。
一話一話読む度にブルーになる。
でも恐いもの見たさで、
後一話だけと思ってるうちに結局全部読んでしまう。
そして全部読み終わった後に残るのは絶望感。
それと軽い人間不信。
ある意味、幽霊などの霊的なものより壊れた人間の狂気の方が恐ろしい。
何を考えてるのか分からない。何をされるのか分からない。
相手の思考が全く理解出来ない事は本当に恐ろしい事だと思う。
ただ、同じ人間でありながら何故そうなってしまったのか?
そういう部分には少なからず興味はある。
しかし、この話が実話であるとするならば、
表に出ないだけで狂気に満ちた世界はすぐ近くにあるんだなー、と思う。
僕はそういう被害に遭ってないだけラッキーだな。
…と思ったら、
過去に一度不条理な暴力を受けた事があったっけ。
やっぱ危険な世界はすぐ近くにあるんだな。
ちなみにこの本、
ホラー映画を観て、夜一人でトイレに行けない人は読まない方が良い。
特に一人暮らしの女性には勧めません。
引っ越しを考える事になったとしても、
僕は引っ越し代は持ちません。

「半落ち」

hanochi.jpg半落ち

読みたいと思っていて読まずにいた本は、
結局後になっても読む事は無い。
僕はそういうのが多い。
この「半落ち」もそんな本の一つ。
ようやく手にした。
ベストセラーにもなったので、
読んだ人も多いのではないかと思う。
現職警察官・梶が、アルツハイマーの妻を殺害し自首してきた。
動機も経過も素直に明かすのだが、殺害から自首までの二日間の行動を語るのだけは頑に拒む。
要はその「空白の二日間」こそがこの話の最大のミステリーなのだが、
見事に最後の最後まで引っ張ってくれた。
梶の人柄が良いだけに、そこまで隠し通そうとする理由が分からないのが、
その謎に更に拍車をかける。
謎の真相は賛否両論だと思うけど、僕はこの答えに納得した。
また、この話では視点が、警察官、検察官、記者、弁護士、裁判官、刑務官と次々と変わって行くのだが、一人一人の心理描写がよく出来てると思う。
ミステリーはとにかく謎の答えが気になるので、
一度読み始めたら最後まで読み切ってしまう。
そんな訳で気付いたら、ミステリーばかり読んでる。
別にミステリーにこだわりがある訳でもないので、
次は違ったジャンルの本でも読もうかと思う。

言葉では伝えられないもの

presence.jpg出現する未来

この本は難しい。脳みそフル回転しても理解しにくい。
だけど、僕が常日頃感じてる事と、
この本で説いてるU理論は似てると思う。
僕も完全に理解してないので上手く説明は出来ないけど、
この理論は禅の教えに近い。
僕は禅、と言うか瞑想に注目している。
そこで禅と瞑想の事、僕が感じてる事を書こうとしたのだが、
全くもって上手く書けない。
そもそもそれについて綴れるだけの知識も持ち合わせてないし。
書いては消し、書いては消し。
もう今回の記事は無かった事にしようともしたのだが、
現状の自分の考えを記録する為にも何とか書いてみた。
以下、まとまりがないけどそれも今の気持ちか…。
最近ではハリウッドのヨガブームを皮切りに
瞑想も耳にする事が多くなった。
だが、そのずっと前から過去の偉人や、有名スポーツ選手、科学者、実業家達は
禅・瞑想を実践していた。
そもそも僕がヨガをやろうと思ったきっかけは、瞑想から。
ただ、巷に溢れる「瞑想や潜在意識を活用して成功する。」
と言った類の考え方と僕の考え方は一線を画している。
出世や顕示欲、地位、名誉、物欲などを伴った成功の為に
その力を活用するのは誤りだと思う。
もちろん全ての人の成功が個人的な欲を満たす事を意味してるとは思ってない。
瞑想を通して成功した人達は、
成功の目的が社会貢献、文化の発展、環境保護など
個人的な欲以外にあったのだと思っている。
個では無く全体に意識を向ける事が大切だと思う。
また、瞑想で何を感じられるかも僕はまだ知らない。
実際、「それ」を体験した人達も、
その表現は人それぞれで共通の言葉では伝えられないのだと思う。
伝えるものでなくて、感じるもの。
だから瞑想セミナーとかも間違ってるのだと思う。
なので僕は変な宗教も信仰もないので、その点は御心配なく。
自分と世界の繋がりを感じる事。
自分の生き方の芯はここにあると思う。
そう簡単に理解できない部分だと思う。
だけど長い時間かけて少しずつそれを感じて行こうと思っている。

第三の時効

dai3nojikou.jpg第三の時効

三人の刑事がメインの警察小説。
「青鬼」の朽木。「冷血」の楠見。「天才」の村瀬。
三者三様の捜査方法で次々と難事件を解決して行く。
そして三人が三人とも、他の二人をライバル視している。
もうこの設定だけで僕のツボです。
肝心の内容の方も引き込まれて一気に読めてしまう。
とにかく面白い!
舞台は同じものの、一話完結の短編集なので、
初めて警察小説を読むには良いかも。
続編が出るのなら、それも是非読みたいと思う。

暗いところで待ち合わせ

kuraitokoro.jpg暗いところで待ち合わせ

「警察に追われている男が目の見えない女性の家にだまって勝手に隠れ潜んでしまう」
と言う内容。(本書より)
その言葉だけ聞くと、
サスペンスかホラーなのかと思う。
しかも作者が乙一なので尚更そう思う。
でもそうでは無い。
光を失って闇に生きる盲目の女性と、
社会に適応できず心に闇を抱える青年。
その二人の闇にポッと小さな灯がともる、
そんな心温まるストーリー。
ジャンルはラブストーリーになるのかな?
だから女性でも安心して読める内容。
グロくてダークな話の乙一も好きだが、
こういう繊細で優しい話の乙一も好きだな。
ちなみに前者を黒乙一、後者を白乙一って言うらしい。
昨日、友達が言ってた。
「へ〜」である。

手紙

letter.jpg手紙

読み終えたのは結構前だけど、
東京タワー以来感動した作品だったので投稿しとく。
この作品は、犯罪の被害者の家族ではなく、
加害者の家族に焦点を当てている。
世間一般のニュースなどでは
被害者の家族の方ばかり焦点を当てられるが、
同じく加害者にも家族がいるのだ。
この作品を読むと、
加害者の家族もまた被害者なのだと思う。
犯罪に走った原因に家族が関与してるケースもあるので、
一概には言えないが…。
犯罪を犯したのは、あくまで身内であって
その人本人では無い。
頭では分かっていても、
どう接したら良いのか分からない。
まるで別の人種のように戸惑ってしまう。
今までそういう人に接した事が無いのだから、当然である。
そう言った部分がリアルに描かれている。
あからさまに蔑むのではなく、一つの壁を隔てた付き合い。
そっちの方がより残酷な気もする。
前にテレビの特番で
加害者の父親にインタビューをしたものがあった。
彼は事件後、職を追われ、
幾つもの場所を転々としながら
今は息子の事を隠しながら細々と暮らしていると話していた。
身内に犯罪者を持つ人が、
世の中にはどれ程多くいるのだろうか?
そしてその中のどれだけの人が
その事実を隠して生活しているのだろうか?
犯罪は非常に多くの人達を苦しめる。
いろいろと考えさせられる作品だ。
それでもこの作品が感動するのは、
弟を思う一途な想いが最後まで失われないからだろう。

東野圭吾

henshin.jpg変身

「好きな作家は?」
と聞かれても一年前は何も答えられなかった。
だが、映画を沢山観てると好きな監督ができるように、
最近は本をよく読むようになったからか
好きな作家が何人か出来た。
そして今はまってるのが東野圭吾。
変身」を皮切りに、「ゲームの名は誘拐」、「宿命」、「どちらかが彼女を殺した」と、続けて読み、
今は「手紙」を読んでる。
詳しくはまだ理解してないが、
作者によって表現の仕方は様々だと思う。
同じテーマの文章を書かせても、
その仕上がりは千差万別なのだろう。
ストーリーも然る事ながら、
その表現手法も好みが別れるポイントなのだろうか。
んー、まだその辺はよく分からない。
ただ、東野圭吾の文章とストーリーは
僕を惹き付ける。
だから好きだと思うし、
もっとこの人の作品を読んでみたいと思う。
後々分かった事だが、
この世界ではかなりの有名人らしい。
映画化された作品は幾つもあるし、
賞も何度か受賞してるようで。
僕はここ最近まで全く知らなかったです…。
とにかく作品も数多い。
だけど、好物の松坂牛を毎日食べたら飽きるように、
続けて読みすぎると飽きる可能性もあるので
今読んでる「手紙」が終わったら、
別の著者の作品を読もうかと思ってる。
以下読んだ作品のレビュー

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